virtual-oji’s diary

SIerに勤務するインフラエンジニアのブログ

VMware Cloud on AWSで利用できるファイルサービス

今回はVMware Cloud on AWS(VMC on AWS)で利用できるファイルサービスについて概要とメリットデメリットについて記載しようと思います

 

今回、扱うファイルサービスとは企業で一般的に利用されているSMB/CIFSプロトコルで利用するWIndowsファイルサービスを指していますのでご注意ください

 

それでは早速始めようと思います!

 

VMC on AWSAWS上に展開されており、複数のファイルサービスを利用することが可能です

 

①Native WIndowsファイルサーバ on VMC

②Native Windowsファイルサーバ on EC2

Amazon FSx for Windows

④NetApp Cloud Volumes ONTAP

⑤NetApp Cloud Volumes Services

 

以上が私が認識している現状利用できるファイルサービスです。

それぞれの概要とメリデメについて記載します。

 

①Native Windows ファイルサーバ on VMC

VMC on AWSを利用する場合、一番シンプルな構成かもしれません。

VMCに搭載されているストレージ(vSAN)上に仮想マシンとしてWindowsサーバを構築してファイルサービスを提供するというものです

 

・メリット:構成がシンプル・VMwareに慣れているひとは扱いやすい

・デメリット:冗長構成をとる場合は構成が困難・外部バックアップに3rd Partyツールが必要

 

②Native Windowsファイルサーバ on EC2

VMCと接続されているAWS EC2上にWindowsサーバを構築してファイルサービスを提供する仕組みです。

VMCが複数クラスタあり、クラスタ外にファイルサーバを構築したい場合には取りうる選択肢です

 

以下図の赤枠ネイティブAWS

サービス内にファイルサーバをデプロイするイメージです

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・メリット:構成がシンプル・外部バックアップが容易

・デメリット:冗長構成をとる場合は構成が困難、①に比べクラスタ外にデータを持つため追加費用がかかる

※バックアップはEBS Snapshotで簡単に取得可能

 

Amazon FSx for Windows

AWSが提供するフルマネージド型のファイルサービスです。

簡単にマルチAZ構成・S3へのバックアップ設定が可能で、最近HDDで構成できるようになったため安価に利用することが可能です

・メリット:冗長構成・外部バックアップが容易

・デメリット:OSのサービスやログを見ることはできない(監査ログ等)・アンチウイルス製品をファイルサービス側には導入できない・PowerShellでの操作が多い

 

何個か記事を書いているので参考にしてください

 

virtual-oji.hatenablog.com

 

 

virtual-oji.hatenablog.com

 

④NetApp Cloud Volumes ONTAP(CVO)

企業向けNAS大手のNetApp社が提供するファイルサービスです。

EC2上にアプライアンスとしてデプロイしてサービスを提供します

メリット:ストレージレプリケーション(snapmirror)が利用できる・重複排除・圧縮が優秀・安価なS3へデータティアリング可能・バックアップが容易

デメリット:ストレージ(ONTAP OS)の知識が必要

 

老舗ベンダーだけあり豊富なストレージ機能を利用できる点は◎

 

構築記事を記載していますので是非ご一読ください

 

virtual-oji.hatenablog.com

 

⑤NetApp Cloud Volumes Services(CVS)

CVOと同様にNetApp社が提供するファイルサービスです。

AWS内にNetAppの物理製品が置かれ、そのサービスを利用する形なので利用者はストレージの設定をほとんどすることなく利用することが可能です

・メリット:低レイテンシー・ストレージの知識不要で設定が容易

・デメリット:OS側のログやサービスなど細かい部分は触れない・マルチAZ構成が困難

 

こちらも構築記事を記載しています

 

virtual-oji.hatenablog.com

 

ざっくり記載してみましたがいかがでしたでしょうか

それぞれメリットデメリットがあり選択が非常に難しいのが現状です。

また、コストの部分については比較が非常に困難です・・・容量単価でみるとFSxのHDDが一番安そうですがIOPSのパフォーマンスがあまり出ないので要注意です

クラメソさんのブログに素晴らしい記事がありますので是非ご一読ください

dev.classmethod.jp

 

全てに言えることですがAWS上で利用できるため物理サーバを所有せずに済みますので、物理レイヤーの所有と運用から解放されるのは大きなメリットかと思います。

 

それでは素晴らしいクラウドライフを!