DR環境用VMware Cloud on AWSの概要とメリット
システムを運用する上で災害対策(DR)を検討することは非常に重要です
特に日本は地震・津波・台風・・・などの自然災害も多く、さらには昨今ではランサムウェアの対策として被害が広範囲に広がってしまった場合にDR環境を活用したケースもあるそうでDRの重要性は非常に高まっています。
ただ、DRは一筋縄ではいきません
設備と運用のコスト負担が大きい・・・
オペレーションが複雑・・・
構成が複雑且つ本番に影響するため訓練できなかったり・・・
色々な課題が多くありますが、今回は進化したVMware Cloud on AWSを活用するとこれらのお悩みが解決しますよ!ということで記事にしていこうと思います。
※ちなみにDR以外にももちろん、バリバリの本番用でVMware Cloud on AWSを活用してる方も多くおり、DR専用ではありませんのでご心配なく!
新機能:VMware Cloud Disastar Recovery
クラウドを活用したDRaaSが実装されました!
安価なクラウドストレージ(S3など)にレプリケーションし、災害時にはクラウドにフェイルオーバーする機能となっています。
具体的には災害時にVMware Cloud on AWS(VMC on AWS)が自動でESXiをAWS上にデプロイして仮想マシンが起動してサービス再開する仕組みです
クラウドストレージの費用はかかるものの、最大の利点はなんといっても従量課金ということで通常時にはホストの費用がかからないという点です。
これによって普段は利用しないDR先のコストを最小限に抑えることが可能になりました
クラウドならではの機能で素晴らしいですよね~
また、復旧時間を少しでも短くしたい要件がある場合は最小構成だけデプロイしておき、災害時にはクラスタ単位でなく、ホスト単位で追加していく方式をとることも可能です。
そももそものアーキテクトとしては保護対象サイトにDRaaS Connectorという仮想アプライアンスをデプロイします
このアプライアンスが中継となって仮想マシンのスナップショットを取得して差分のみクラウド側へレプリケーションします。
帯域制御も可能で、通信は全て暗号化されます。
SRMに非常によく似ているのでオンプレのノウハウを活用しているのだと思われます
もう一つ良いところはオペレーションについてです。
専用のUIがあり数クリックで切り替えを実施できます
予めプランを作成しておき仮想マシン毎やグループごとに起動する順番を定義できたり多彩な設定も可能で、本番環境から切り離してフェールオーバーテストをGUIから実施できます
年に何回か訓練しておくことをおすすめいたします!
この機能の出現でどんどんVMC on AWSにDR環境を実装する方が増えると思います。
さらに2021年前半では大阪ローカルリージョンが正式リージョンになりますので、VMC on AWSがサポートされれば、関東圏と関西圏の遠隔地に展開することもできてより良い環境を実現できるようになります、待ち遠しいですねえ