VMware VDIソリューションの最新版Horizon 8(2006)紹介
今回は2020/8月にGAされましたVMware VDIソリューションの最新版Horizon8(2006)について、主要な更新が入った部分をできる限り噛み砕いて紹介しようかと思います。
早いもので旧バージョンであるHorizon 7のリリースから4年がたちまして、時代にあった更新がいくつか見られました。
・まず最初にバージョンの表記から
バージョン表記がYYMMになるそうです。今回ですと2006。Horizon ClientやAgent,CSなどもこの表記に変わっていくそうです。これは最初「ん?」と思いましたが慣れの問題ですかね~。
・リンククローンからインスタントクローンへ
これからは展開方式がインスタントクローンが主流になっていきます。
主な機能は同じとなっていて、簡単に言うとマスターVMからデスクトップを差分だけ展開する方式となっており、リソースの節約及びパッチやアプリの変更をマスターに加えて展開すれば全デスクトップに展開できるという非常に便利な方式です。
リンククローンとの大きな違いはユーザがデスクトップからログアウトするとデスクトップが削除される点です。これにより常に作成されたばかりのクリーンなデスクトップを利用することができますので例えばウイルスに侵されてしまってもログアウトするだけでウイルスごとデスクトップが削除されますので非常にセキュアな環境となります。
ちなみにデスクトップ上のエクセル等のユーザーデータは「移動ユーザプロファイル」やファイルサーバへリダイレクト設定を行うことで消えることはありません。
暫くはリンククローンは残すようですが利用は推奨されない点と今後のリリースではなくなる点にご注意ください。
いくつかリンククローンとの細かい違いがあり移行できないユーザ向けの救済なのでしょうね。例えば一意のBIOS ID、マルチNIC、インスタントクローン用のSysprep、静的に割り当てられたコンピューター名が挙げられるかと思います。
ちなみにvmForkと呼ばれるメモリを活用した展開によってリンククローンよりプロビジョニングが高速になっている点も大きな魅力です。
・外部からの接続方式がUAGへ
インターネット(外部)からの接続にはDMZ上にSecurityServerかUAGを構築して接続することが推奨でしたがUAGがスタンダードになるそうです。というか暫く前からUAGがスタンダードになってるのかと思ってました・・・
・管理コンソールがHTML5へ
Horizon 7から公開されていましたが管理コンソールがFlashベースのものがサポート外になりHTML5が正式な管理コンソールとなります。レスポンスは比較的良いのですがUIが全く違うので手順書直すのが大変でしょうねこれは・・・。
・デジタル透かし
たまにセキュリティ要件であるので標準機能で搭載されるのは地味に嬉しいですね。
・画像転送プロトコルの改善(BlastExtreme)
CPUやメモリ利用率が改善され、さらになんっと最大2つのモニタで8Kに対応したとのこと。
VDIで8K使うって帯域の問題で画面カックカクにならないんですかね??
研究職の方向けなのでしょうか
・Horizon Agent
ビデオの最適化機能が組み込まれています。昨今のZoom,Teams,Skypeなどのビデオ会議の需要の高まりに対応したのでしょうね。
個人的には可能であれば、Zoomなどは手元の物理端末で接続することをお勧めしますけどね・・・多くのユーザがVDI上でZoomやTemasで会議するとリソースが・・・。シンクラですと手元からの接続は厳しいでしょうが。
噛み砕くつもりが長文になってしまいました・・・。
ライセンス周りに変更があると事前情報では聞いていたのですが、まだ発表ないようなので、スピード重視!ということでそちらは割愛します。
ちなみに本記事で参考にしたリリースノートは以下となります!