virtual-oji’s diary

SIerに勤務するインフラエンジニアのブログ

DELL製サーバーへのESXi 6.7インストール方法(前編)

今回は検証用で所有しているDELLサーバーへVMware ESXi 6.7のインストールする機会がありましたので、せっかくなのでインストール方法をご紹介します。

 

全体の作業概要は以下となります。

作業量の関係から今回はRAID設定まで実施します。

BIOSの設定

・iDRACの設定

Firmwareの更新

RAID設定←今回はここまで

・ESXiのインストール

・ESXiの初期設定

・ESXiのパッチ適用

 ※一般的なワークロード用の設定値となり、

 要件によっては設定値など異なる可能性がありますのでご留意ください

 

まず、BIOSとiDRACの設定になりますがハイパーバイザ用の設定として「Hyper Threading」(HT)と「Virtual Technology」(VT),「電力」、「BIOS時刻」を設定する必要があります。

 

まずHTとVTですが最近のx86サーバーではデフォルトで有効になっているかと思います。

念のためこちらが有効になっているか確認しましょう。

intel脆弱性を考慮し、要件によっては無効とすることもあるかと思いますので注意!ちなみにvmc on awsのホストではこれが理由で現在無効になってますね~

 

サーバー起動中に「F2」を押下するとBIOS設定画面に遷移できます。

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これらを有効にすることで物理コアの倍のコアを論理コアとして利用でき、CPUの仮想化支援機能を活用することが可能となります。

「System BIOS」→「Processor Settings」と進んで確認します。

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電力ですが最高のパフォーマンスを発揮させるため「Performance」を選択しましょう。設定画面はBIOS上の「System Profile Settings」に存在します。

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次にiDRACの設定となります。

iDRACはマザーボードに搭載された管理SWであり、HP製のサーバではiLO,Cisco製であればCIMCと呼ばれるソフトウェア(SW)です。

このSWにアクセスするために設定を行います。

サーバー起動中に「F10 lifecycle Manager」から以下の設定画面が開きます。

LanguageとKeyboardをjapanに変更します。

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デフォルトで進んでいくとiDARCのネットワーク設定を行うことができます。

「IP Adress Source」をStaticに変更し、

IPアドレス、サブネット、GW、DNSを入力します。

他はデフォルトで問題ありません。

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IP設定後に「iDRAC用ポート」にLANケーブルを接続します。

作業用端末と通信できることをpingなどで確認し、WEBブラウザに設定したIPを入力して接続します。

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初期のログインIDとパスワードは以下となります。

id:root

PW:calvin

 

ログインに成功すると以下のような画面が表示されます。

iDRAC9になって初めてログインしましたが、とても見やすくHTML5のせいか反応も良好に感じました。

ちなみにPowerSupplyを2本中1本しか繋いでいないためアラートがあがっています。

意図したアラートのため無視します。

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次に時刻ですが「日本時間からマイナス9時間」(UTC)した時間を設定しましょう。

上記の設定にしておかないと仮想マシンが起動した際にHWの時刻と同期することで実際の時刻とズレが生じる場合があります。

とはいえESXiホストにも仮想マシンにもNTPを設定し、NTPと時刻同期することが推奨されますので念のための設定となります。

 

設定はLifecycle Controllerから行います。サーバ起動中に「F10」から設定画面を開くことができます。

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「ハードウェア設定」の「設定ウィザード」を開きます。

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日本時間からマイナス9時間を設定し、「終了」を選択します。

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次にFirmwareの更新を行います。

いくつか更新方法がありますが今回はインターネットに出られない環境のため更新用isoで更新を行います。

更新するFirmwareを以下のサイトから作業用のPCにダウンロードします。

ブータブルメディア/ISOによるDell™ PowerEdgeサーバのアップデート | Dell 日本

 

isoから起動する必要がありますのでiDRACの仮想コンソールを起動しisoイメージをマウントします。

ポップアップブロックが有効になっている場合はコンソールが起動できないため、無効にする必要があります。

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 画面上部の「仮想メディアの接続」からisoイメージをマウントします。

CD/DVDをマップからファイルを選択します。

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isoファイルを選択後に「デバイスのマップ」を押下します。

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画面右上の終了を選択し、サーバーを再起動します。

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マウントしたisoイメージが起動してきますので、Dell Deployment Toolkitを選択すると自動でアップデートが始まります。

途中で何度か画面が固まりますが根気強く待っていれば自動で終了します。

今回は約1時間ほどかかりました。

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完了後にサーバーが再起動されます。

また、iDRACの更新があるとコンソールから切断されますので、

もう一度isoイメージからマウントしなおして念のため再度実行したほうが良いです。

 

次にRAIDの設定を行います。

今回はSSDとHDDを搭載しており、それぞれ別の領域として構築します。

パフォーマンスを必要とする仮想マシンSSDに配置し、それ以外は比較的安価なHDDに配置するイメージです。

 

Lifecycle Controlleの「設定」から「デバイス設定」へ進み、RAID Controllerを選択します。

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「Main Menu」の「Configuration Management」から「Create Virtual Disk」を選択します。

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 RAIDレベルを選択します。SSDの領域はRAID10で構築します。

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「Select Physical Disks」を選択して対象のディスクを選びます。

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SSDディスクを選択後にApply Changesを押下します。

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Create Virtual Diskを押下後はConfirmにチェックを入れてYESを選択します。

自動ですぐにinitializeが実行されます。

※ディスクサイズによっては数時間かかります。。。

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HDD領域用のRAIDを設定します。こちらはRAID1で構築します。

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ディスクを選択してApply Changesを押下します。

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最後にCreate Virtula Diskを実行すれば完了です。

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「Virtual Disk Management」を選択すると構成の確認とinitializeの進捗を確認することができます。

 

RAID設定は以上となりますが今回はここまでとします。

次回はESXiのインストールを行います。